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2008年10月16日 (木)

シャガール劇場

シャガール劇場
その90人程収容の小さな劇場は、舞台の緞帳ばかりでなく、すべての壁面、そして天井までもシャガールで埋め尽されていた

絵のテーマは、《ユダヤ劇場への誘い》《音楽》《舞踊》《演劇》《文学》などであり、観客は幕開けを待たずに、民族性豊かな舞台芸術に触れることになる

1920年のロシアがユダヤ民族にとって、どのような空気をもっていたかは、多分に暗く重い事態を想像する他ないが、シャガールは、7週間前後で、この劇場を自らの絵で埋め尽したという

兵庫県立美術館で開催されていた「シャガール展」の圧巻は「国立ユダヤ劇場」に飾られていたシャガールの壁画が一同に会したことである

ほろ酔いは、もともとシャガールのメルヘン的なタッチと何と無く暗い空気が好きではなく、何故20世紀を代表する画家と呼ばれるのか、理由が分からなかった

またパリのオペラ座の天井が何故シャガールの絵で飾られたのかも謎であった

1920年代と言えば、インターナショナルな空気が欧米世界を席巻した時代であり、ロシアでも構成主義がもてはやされ、国際的な革新性に向かっていた時代である

そのような情勢の中、シャガールは民族性を純化することにより、民族性のアイデンティテイを追求した

それが当局の期待することではなく、シャガール劇場はすぐに解体の憂き目にあい、壁画のみが数十年後に修復、復活することになる

シャガールが向き合ったのは、国際性と民族性という極めて20世紀的な問題であり、「色彩の詩人」として、その後の迫害に抵抗し、世界に訴え続けた点に大きな価値があったのであろう

シャガールが現代に問掛けている問題は、民族が本来持っていた愛の暖かさであり、ファンタスティック、暗い側面さえも愛を訴える現実的なアイテムとして読むことができる

しかし、そんなこと考えながら劇場に浸ったら、ほろ酔えなくなっちゃうな〓

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